1枚1枚、職人の手作業で鹿革の表面に漆の模様付をしていきます。
昔と変わらぬ製法は永い歴史をもつ伝統工芸ならではです。
漆は湿度がないと乾きません。
湿度、温度を一定に保った室(ムロ)に入れ一日程かけて漆を乾燥させます。
最近では湿度がなくても乾燥する漆がありますが、乾燥後に漆が剥がれやすかったり、漆独特の風合いが出ないなどの理由から、時間と手間隙がかかっても昔ながらの製法にこだわってます。
手間暇と時間をかけてできあがります。
印傳の最大の特徴は漆を使った模様柄です。
この漆模様は、印傳革が出来上がってすぐの時は色が濁っており、時間が経つにつれ色鮮やかになっていくという特徴があります。
科学塗料を使用したプリント革などは、最初のうちはきれいな色も時間が経つにつれくすんでいきますが、自然塗料の漆を使った印傳革は逆に色鮮やかになっていき、最終的には同じ色合いに落ち着きます。
色が落ち着くまでは、一ヶ月から数ヶ月と保管状況によって違ってきます。
この色の変化こそが質の良い漆を使った印傳の証です。
印傳の模様柄は漆で付けてます。漆が乾いて出来た模様は少し盛り上がっており、凸感があります。ごく普通のプリント柄と違う立体模様です。
これも印傳ならではの特徴です。